
さらなる伝説を残す寺崎浩平!
競輪学校の117期を早期卒業して注目されている寺崎浩平は、4月1日から小田原競輪で開催されているF1報知新聞社杯争奪戦に出走。
初日1着、2日目3着、最終日は1着となり、見事優勝した。
寺崎浩平は19連勝し、S級優勝を決めた。
デビューから無傷の20連勝を飾った競輪伝説の深谷知広には届かなかったが、寺崎浩平はデビューから79日でS級初優勝を飾る。これは酒井洋の114日の記録を大幅に更新した偉業だ。
寺崎浩平の小田原競輪での走り
報知新聞社杯初日(4/1)のレース
1日目の初日は10Rに出走した。
後方に位置取り2番手は原真司に3番手は坂上忠克のライン並び。対抗として寺崎浩平を破る期待を背負っていたのは新山将史。
後方スタートだったからか前に走る選手は全員が後方の寺崎浩平を確認するほど警戒されていた。まず削りにかかるのは城幸弘と岩崎大和と台和紀の関東ライン。だが寺崎浩平は難なくすり抜ける。単騎の好永晃も削りに動くがスピードを乗せた寺崎浩平は止まらなかった。新山将史の番手となった棟方次郎は削るタイミングを逃し、寺崎浩平を前に出してしまう。
残り1周の4コーナーですでに2車身差は付いていた。
誰も削れず、誰も止められず、寺崎浩平はライン選手を引き連れ1着を取った。
これで寺崎浩平は19連勝となる。
報知新聞社杯2日目(4/2)のレース
2日目は11Rに出走。
このレースでは番手に村上義弘がつく。村上義弘が寺崎浩平を破るのではないか?と期待の声や寺崎浩平の勝ちを応援する声で盛り上がっていた。
このレースで勝利すれば深谷知広の20連勝に並ぶからだ。
レース序盤からスピード展開だった。このレースでも後方に位置取った寺崎浩平だったが、前方はすでにスピードを上げていた。序盤から離されてしまった寺崎浩平と村上義弘だったが1周目4コーナーでは射程圏内に捉えていた。
関東ラインの横山尚則が後方確認したときはすでに時遅し、抜かれてしまう。その時寺崎浩平の3番手に付いていた坂上忠克は付いて行けず千切れてしまう。2車ラインになった寺崎浩平と村上義弘は軽かった。2周目2コーナーで先頭に躍り出て一騎打ちの流れ。
だが、ここで単騎の曽我圭佑が村上義弘の後ろを取り好位置に、4コーナーから差し込んで1位となった。
寺崎浩平は3着となった。村上義弘にも差された結果だった。
レースの結果は3連単で16万8800円の超高額配当となった。
このレース結果を持って、寺崎浩平のデビューからの連勝は19でストップした。
深谷知広の20勝には届かなかった。だが3着に入っているので決勝には出れる。ファンたちは優勝の期待が高まった。
寺崎浩平はレース後に「思ったより打鐘で車間が空いて…。A級とはスピードが違った」と語ったが「連勝が止まり吹っ切れた。スピードを生かした仕掛けで決勝でしっかりと勝ちたい」とすぐに気持ちを切り替えて前を向いていた。
報知新聞社杯最終日(4/3)のレース
寺崎浩平は最終日、決勝に臨む。
この決勝でも同じく村上義弘が番手となる。このレースでは後方からではなく序盤から前を取るスピード展開を仕掛けていた。前日の後方からの捲り上げで曽我圭佑に敗れた対策であろうか?
先頭に躍り出るが皿屋豊がさらに前を出てけん制。
残り1周3コーナーで単騎の池田勇人が外から仕掛ける。皿屋豊は先頭を走ったが末を欠いてレースから降りる。
結果はタイヤ差という僅差だったが寺崎浩平が1着となり見事優勝した。2着は村上義弘。単騎の池田勇人が外から回って3着になった。
寺崎浩平はインタビューにて「早めに仕掛けて、前前へ行こうと決めていた。勝ててうれしい。デビューから注目されているが、それに見合う結果を出し続けられたらと思う」と語っている。
令和の怪物 寺崎浩平の進化の謎
競輪デビューしてから連戦連勝して話題となっている寺崎浩平だが、デビュー前からも活躍していた。
大学時代には2015年には全日本自転車競技選手権大会のマディソンで1位。全日本大学対抗選手権自転車競技大会のチームパシュートで1位とすでに才能開花させていた。
2016年は全日本選手権のマディソンで1位で連覇をしている。
実は2016年の国民体育大会の成年男子ケイリンで優勝したが、レース後にドーピング検査で陽性となった。これにより優勝は取り消しとなり日本アンチ・ドーピング規律パネルから4年間の資格停止処分となる。
寺崎浩平は不服とし日本スポーツ仲裁機構に対し不服申し立てを行い、資格停止を4カ月間に短縮する決定となった。一応は寺崎浩平の主張が認められた形となる。
この件と併せて説明するけど、競輪でのドーピング問題というのもある。
競輪業界ではドーピング検査を勿論行っているが、検査日は告知されている。
自転車競技日本代表の深谷知広はツイッターでこう発言している。
しかも競輪のドーピング検査はゆるゆるで、検査のタイミングもわかってるし、通告された後、選手に張り付く監視役も居ないので抜け道が多すぎる、やってます感を出すだけの検査。しかも極端な話4ヶ月で復帰できちゃうならガッツリドーピングしてGP獲って4ヶ月休んだら、、って事に😱❕ https://t.co/G6aLPQIJ9x
— 深谷知広 (@tmhrfky) November 20, 2019
すこし前の2014年にデビュー1年ちょっとでS級2班に上がった当時26歳の泉利和も「ドーピングしないと上の選手には勝てない」と言い残し突如引退。期待されていた選手だっただけに衝撃のニュースだった。
2018年には全日本プロ選手権に出場した伊藤成紀は検査に引っ掛かり4年間の資格停止となった。こちらは不服立てをしなかったようだ。
と他にもドーピング問題が何度も出ている。特に海外のサプリやプロテイン、ビタミン剤に混じっているケースが多い。(そういう言い訳・常套句なのかもしれないが)
判断は機関によるものだが過去、寺崎浩平も引っかかっていることを鑑みれば、今後引っかかる可能性は高い。競輪はドーピングに対して規制を強めていない感があり、一部ファンや関係者にも動揺が走ることがある。
寺崎浩平の怪物じみた結果とレースはココが大きく絡んでいる可能性はある。
勿論してないとファンとしては信じたいが、過去そこそこドーピング問題は再燃しているから怖い。
しかも競輪と例えば世界大会では機関が違うから基準も違う。そういった点で寺崎浩平の世界大会の道が閉ざされる可能性も十分ありうるから心配だ。