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競輪唯一の希望であったG1日本選手権競輪が中止!
5月6日から10日までの6日間かけて開催される競輪一大イベントの一つG1日本選手権競輪が4月24日に中止になると発表された。
日本選手権競輪が中止になることは1961年以来の59年ぶりとなる。
とは言え、状況が全く違う。
1961年の日本選手権競輪が中止となったのは1960年の後楽園競輪での来場者数が多く競輪場内が混乱となり、主催者と施行者含む団体が警察当局から警備上の指摘を受け、東京都が開催を返上したためである。
71年にはオールスター競輪が開催地として各競輪場が名乗りを上げずに中止。
89年はKEIRINグランプリでは賞金問題で開催できなかったケースがある。
G1レースが中止となるのはこれで6度目となる。
他競輪場の開催がない中でG1すら中止とは競輪自体の開催が危ぶまれるぞ…最悪だ!
元々は開催する気だった静岡競輪と競輪選手会
16日に非常事態宣言が全国区に拡大した。
だが17日の静岡競輪ではF2は開催された。
中止にしないということはG1も開催するという意思表示でもあった。
16日に日本選手権の会議に出席した日本競輪選手会静岡支部長の黒田直記氏は
『今、静岡への注目度は高い。
開催することが正しいか、正しくないかは、何度も自問自答してきました』
と前置きをした上で
『それでも僕の立場でやらなきゃいけないのは、伊東競輪、静岡競輪、そして静岡県の選手を守ること』
『やってもやらなくても批判は出るでしょう。でも、やらなければ守れないものがある。
試算したところ、無観客で開催すれば赤字になると出た。
でも、もし赤字になったとしても、その経験はきっと来年のグランプリにつながります』
と開催することの大義名分を語った。
『そもそも競輪は戦後復興の役目を担って立ち上がったもの。
東北や熊本の震災の後でも役割はあった。
今回だって開催することに大義はあるはず。
このまま中止の連鎖で業界全体が衰退するのを見てはいられない』
と強気であった。
競輪のニュースサイトでも取り上げられており、競輪ファンには心強い言葉だった。
24日に開催中止を発表
24日の昼過ぎの静岡の長田辺信宏市長による定例会見でG1日本選手権競輪の開催と中止する旨を発表した。
『5月5日~10日まで静岡競輪場にて開催を予定しておりました「第74回日本選手権競輪」については、断腸の思いではありますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、中止することを決定いたしました。
これまで競輪ファンの皆さんに楽しんでいただきたいという思いで、無観客による開催を模索してまいりましたが、無観客であっても開催にあたっては、どうしても参加選手や関係者の移動を伴うことから、この先の感染拡大を左右する重要なこの局面において、苦渋の決断をしたところです。
開催を待ち望まれていた皆様には、大変残念なお知らせで申し訳ありませんが、この事態が終息しましたら、また静岡競輪は復活しますので、その際、再び多くの皆様にご来場いただきますよう、お願いいたします。』
開催楽しみにしていたの、なんてこった。
JKA会長 笹部敏雄氏のコメント
『
歴史と格式を誇る第74回日本選手権競輪が中止になることは誠に残念ではありますが、これまで開催に向けて準備にご尽力されたにもかかわらず、新型コロナウイルス感染拡大防止のため静岡市が下した苦渋の決断であり、やむを得ない事と存じます。
開催を楽しみにされていたお客様と争覇に向き合う参加選手に対しましては、多大なるご迷惑をおかけしますことに、なにとぞご理解を賜りますようお願いいたします。
競輪は地方財政への寄与ならびに社会貢献など公益性の高い事業を通し、長きにわたりお客様に愛されてきました。
日本選手権競輪の中止は、競輪界にとって大きな痛手を被る事態となりましたが、無観客開催を引き続き実施していくため、関係者一丸となって新型コロナウイルス感染拡大防止に最善の努力を払ってまいりますので、ご理解ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
』
流石に怒りのコメントが…
日本競輪選手会 佐久間重光氏のコメント
『
競輪界最高峰の開催である日本選手権競輪が中止となることは本当に残念です。
実施に向けて最後まで尽力していただいた静岡市はじめ関係者の方々には感謝いたします。
新型コロナウイルス感染症が1日も早く終息することを心より願っております。
』
多くを語らなかった佐久間重光氏だが選手会はG1日本選手権競輪の開催を希望していた。
元々選手会側は開催派だったわけだしな。
G1日本選手権競輪の中止に対する選手のコメント
郡司浩平のコメント
『
自分は(失格によるあっせん停止で)ダービーを走れないけど、それは別にして中止は残念です。早く安心して普通に走れる状況になるのを願うだけです。
』
清水裕友のコメント
『
中止の決定は残念ですが、ダービーの開催に向けて最後まで尽力していただいた関係者の方々に、お礼を申し上げたいと思います。
競輪は公営競技なので、社会に役立てることは必ずあると信じています。
僕もまたファンを沸かせるレースをお見せすることを約束して、今やれることを精いっぱい頑張ります
』
岡村潤のコメント
『
今の正直な気持ちを言うととても悔しい。
地元ダービーということで、特別な思いを持って、時には犠牲も払い精いっぱいやってきた。すぐには気持ちの整理はつかない。
一刻も早く事態が落ち着くのを願っています
』
高木真備のコメント
『
頑張って出場権を勝ち取った大会の中止は残念です、新型コロナウイルスを終息させることを最優先に考えての判断なので仕方がないと思います。
また皆さんの前で走れることを励みに頑張ります
』
深谷知広のコメント
『
残念ですが、いろいろ考えた末の選択だろうし、それはしっかりと受け止めようと思う。
次に向けて自分たちができることを選手で考えてしっかり取り組んでいきたい
』
佐藤慎太郎のコメント
『
走る姿をファンに見てもらうことしかできない僕らが、その場を与えられないというのは悔しい。
競馬やボートと同じように社会に貢献しているのに「なぜ競輪だけが…」という気持ちが強い。仕方がないのかもしれないが、何か策はなかったのかと思う。
』
多くの競輪選手が中止に対してコメントを出している
多くの選手たちが開催中にし対して思うことを吐き出しているようだ。
SNSでもチラホラコメントを残している。
G1・日本選手権競輪の
— 浅井康太 (@KOTA_KEEPLEFT) April 24, 2020
中止が決定いたしました。
残念すぎます。
静岡・日本選手権競輪中止をいま知りました。
— 吉田敏洋 (@toshihiro13719) April 24, 2020
なんとかダービーは!と開催に向けて一生懸命コソ練してましたが、一気に力が抜けました…。
競輪界の社会における立場ってこんなに弱かったのか?と、悔しい限りです。
最後まで開催へ向けてご尽力された関係者の皆様、ありがとうございました。
競輪ファンもショックなんだけどさ
当分開催が先となったグレードレース
次に開催されるグレードレースは函館競輪場の記念競輪G3五稜郭杯争奪戦となる。
開催日程は5月16日から19日となっている。
とは言え函館競輪では直前のF2ナイターまで開催中止にしている。
すでに4節を開催中止にしているのでもしかしたら函館記念競輪も中止の運びとなる可能性は十分に高い。
また非常事態宣言が延長される可能性もあるという噂だ。
函館競輪では非常事態宣言の期間ではない5月8日から開催のF2ナイターも中止にしていることを考えると、非常事態宣言が延長する・しない関わらず開始中止となる可能性は十分といえよう。
楽しみマジで無くなるぞ!
それだけはマジで勘弁な!